ツイッターで突如としてバズり有名になった中国のキックボクサー、ハン・フェイロン選手について自分なりに調べてみました。
まず、動画の観察からですが。ハン・フェイロン選手は足払いや蟹挟などで相手の体勢を崩し、それで相手の意識が下に集中したところで、不意に浴びせ蹴り(胴回し回転蹴り)を決めるのが得意な選手のようですね。
皆さんのリプライを眺めていると、ルール上蟹挟とか相手の足を取って崩したりとかして反則じゃないの? といった声が多かったですね。
確かに、日本でも有名な格闘技イベントK-1で動画のような立ち回り方をすれば、注意や指導、もしくは反則負けなど取られても致し方ないかもしれません。例え反則じゃなかったとしても、K-1で動画のような戦い方をしたら、観客席からブーイングの嵐が起こるかもしれませんね。
しかし、このハン・フェイロン選手が出ている試合の動画は、少なくともK-1の試合動画ではなさそうです。つまり、K-1のルールで戦っているわけではなさそうですね。
調べてみると、どうやらハン・フェイロン選手は、中国四川省に本拠地を置く『The EM-Legend』というキックボクシング組織の試合をメインに戦っている選手らしいです。
この『The EM-Legend』という団体、どういうルールのキックボクシングで戦うことになっているのか気になって調べたのですが、有力な資料が未だに見当たらず現在調査中です。ごめんなさい。
ただし、動画を見る限りでは、K-1とルールが違うのは推測できます。また、キックボクサー仲山大雅選手のブログで、「いつもとルールがちょっと違うので不安ですが、……」とおしゃっていたので、『The EM-Legend』は他のキックボクシングルールとは若干違うルールで行われているのは確かなのでしょう。
あ、次戦決定しました!
急ですが、来週の土曜日に中国で試合します🇨🇳
EM Legendという大会です!!
平和モードだったのですけど、
しっかり戦闘モードに入ってます!!
試合が決まって、
朝からシゴかれてますよ。。。
対戦相手の中国人選手、かなり強豪らしいです。
階級も上ですし、
いつもとルールがちょっと違うので不安ですが、
暴れてきます🔥🔥🔥
出典: キックボクサー仲山大雅 July 19, 2018 の記事より引用
また、動画内の競技は中国の競技(格闘技)である「散打」じゃないの? とご指摘なさっている方もリプライ中にいらっしゃいました。私も初めてこの動画を眺めた時は、「散打じゃないのかな、これ」と思いました。
ただし、散打は投げ技もありのルールなので、もし散打ならば、キックボクシングよりはシュートボクシングに近い試合展開になると思います。
しかし、バズった動画を観ていると、動画内だけでは投げ技を使っているところが確認できません。そのため、「この動画の試合内容だけでは、散打である確証には至らない」という結論に私は落ち着きました。
考察すると、『The EM-Legend』は、散打に近いキックボクシングのルールで戦う大会の可能性がありますね。また、散打を「中国式キックボクシング(Chinese Kick Boxing)」と称する団体もございます。
ちなみに、『The EM-Legend』は中国語で『峨眉伝奇(ウーメイチュワンチー)』と書きます(言います)。動画内でも逆三角形のマーク内に『峨眉伝奇』というロゴが入っていますよね。
格闘技ファンの間では、数十年前から中国武術の力は未知数で、得体の知れない存在として注目されていました。実際に日本のメディアで知りうる格闘技界隈では、有名な中国人選手があまりいなかったのも事実です。
そのため、今回ハン・フェイロン選手が注目されたことで他の中国人選手の知名度も上がれば、今後はK-1などの他の格闘技大会にもハン・フェイロン選手のように武術を駆使した格闘家が進出してきそうですね。もしそうなれば、大会における試合展開の幅も広がり、今後の格闘技大会を観戦するのが更に楽しくなりそうです。
中国武術はどういった格闘技ルールで活躍できるのか、などの考察も盛んになれば、ますます格闘技界隈が盛り上がりそうで今からワクワクします。
「PERFECT KICKBOXING」より『EM-Legend』の紹介ページ(英語表記)
https://www.perfectkickboxing.com/category/em-legend/
「QUEENS of the RING BLOG」より『峨眉伝奇』の表記、読み方を参照
http://queensofthering.com/archives/51920326.html
キックボクサー仲山大雅選手のブログ記事(『The EM-Legend』は他のキックボクシングルールとは若干違うルールで行われているのを参照)
http://taiganakayama.blog.jp/archives/10666943.html
「SANDA CLUB MS OFFICIAL SITE」より「散打(SANDA)とは」のページ(散打を「中国式キックボクシング(Chinese Kick Boxing)」と称するのを参照)
http://www.sanda-club.com/25955251711239212399.html
アイキャッチ画像は親友の無忙庵さん(https://photopool.bts-works.com/ )から許可を得て拝借しています。
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